本番の黄凱は、やはり良かったです。
もちろんリハーサル時も良かったのですが、
本番の時に発揮される彼の表現の世界は
思わずぞくっとしてしまうほどその輝きを増して
まさに、光輝くような源氏の君。
彼以外にこの役を踊れる人なんて
存在しないだろうと思ってしまう位源氏そのもので、
それこそ卒倒してしまいそうなくらい(笑)
魂を揺さぶられるような舞台でした。
そして、安達悦子さんの演じた紫の上にも
ぜひここで触れておきたいと思います。
源氏を愛したが故に様々な苦悩と困難を抱えながらも一途に源氏への愛を貫き通し、とうとう死に至ってしまう紫の上・・・
その少女のような愛らしさ、時には母のような包容力を持ちつつ、
源氏を止むことなく愛するひとりの女性の愛に生きる姿
その美しさも強さも切なさをも見事に演じきっていらっしゃいました。
安達さん演じる紫の上の、愛に生きた「生」が輝いていたからこそ、
その「死」による源氏の深い悲しみが
私達の心により強く響いてきたのではないでしょうか。
お互いがお互いの投げかけたものを高めあうような
切なくも美しいパ・ド・ドゥ
特に、そのシーンに引き続いて
初演には無かった源氏のソロが加わったことで
その悲しみと紫の上への愛がより印象強く、切実に伝わってきて
「二人の愛」がさらに奥深いものへとなっていたと思いますし
それを演じる黄凱もまた
昨年より更に表現の幅を広げたように感じ
彼の創り出す源氏の世界に鳥肌が立つような感動を受けました。
不安・嫉妬・迷い・苦悩、そして死・・・
物語の中心となる人物は、みな不幸だったのでしょうか
けれども、そこには
様々な形の魂を揺さぶるような愛がある―
それ程の感情を持つことが出来ることは
それとも幸せなことなのでしょうか
物語の最後、桜の季節を思わせるシーンの中
どこか遠くを見つめながら 佇む黄凱の源氏が
静謐の中にどんな想いを抱いているのか
私達がファインダーを覗きながら感じたのは
幸・不幸などと簡単に言葉でなど例えられない
心の奥の方の震えでした
そしてその答えは、
観る人それぞれの中にあるものなのかもしれません
2004年1月には東京での再演も決定しています
ぜひ、皆様ご自身の心で黄凱の源氏を感じ取って下さい。
終演後、通訳の周さんが「本当に素敵ですね〜」と言いました。
黄凱、ここでもファンをゲットです!
という事で、上海の黄凱ファン2号に認定!?
ちなみに1号は黄凱のお母様です。
スタッフの上海滞在最後の晩、黄凱のご両親のお招きを戴き
お言葉に甘えてご実家に伺わせて頂きました。
きちんと整理の行き届いたとても素敵なお宅でした。
いつもきちんと身の回りのものを整えている黄凱
こういう家庭で育ったからなのだろうな・・・と納得です。
和風の設えのお部屋もあり、日本人形なども飾られていて
ご両親の遠く日本に離れて暮らす息子への想いを
そのお部屋からも感じ取れるようで、
じ〜んとしてしまいました。
この日、ご両親自らが腕を振るって下さったお料理の数々
それは、とても美味しく、素晴らしいものでした。
TalkAboutでもご紹介した黄凱の家庭の味
お母様特製の豚の角煮は甘さも程よく上品な味付けで
お父様オリジナルのポテトサラダも少し歯ごたえを残した
サイコロ状のおいもやハム、そしてナタデココが入った爽やかな味
暖かい心のこもった家庭の味は
私達にとっても最高のおもてなしだと感激しました。
そして、それは私達スタッフを含め
日本で彼を応援する全てのファンに向けられたご両親のお気持ちでもあるのだと思います。
ご両親からは、こうして日本のみなさんに応援して頂ける事を
とても感謝していますというメッセージを頂きました。
また、黄凱にはバレエを通じて
中国と日本の懸け橋になって欲しいとも仰っていましたが
まさに、こうして私達取材班もご両親にお目にかかり
いろいろなお話を伺うことが出来たり
こうして心からのおもてなしを受け、
また、取材を通じて中国の方と出会い交流する機会にも恵まれ
すでに私達にとって黄凱は
中国との懸け橋でもあるのだと思います。
そして、私達はこれからも
より多くの方にその輪を広げる上で少しでもお役に立てるような
サイト作りを目指し続けたいと願います。
こうして公演取材も無事に済ませることができたのは、
ishiguro dance theaterの皆様
そしてご両親はじめ
上海で出会った全ての皆様の善意に支えられてのことであったと
改めて思います。
本当にありがとうございました。