■今回の源氏物語の作品について
今まで『羅生門』『心中天の網島』などスケールの大きな作品に取り組んできました。
今回は日本の代表的文学である『源氏物語』
本当は出来ないと思っていたのですが・・・スケールが大きすぎて現代の人には漫画のほうがおなじみですね。
年齢的にそういう時期が来た様に思い、自分の人生を省みて、
男性と女性の恋するというのはどういう事か・・・という事を光源氏の物語を借りて表現してみようと思いました。
源氏物語から千年経った年に、千年経っても恋は同じという事が言われていましたけれど、違わない恋とはどういうものかと考えた時、私は移り行くものと解釈しました。
春のようなよい時もあれば、夏の倦怠感、たとえ一緒に居ても寂しさを感じる事もある孤独な人間。
必ず人間の一生にある流れが恋にもある。
あきらめ・・・その感覚が今持てるのです。
でも、また春が来るというくり返しです。
春夏秋冬にたとえて恋の移ろいを描いてみたかった。
時代が変わって、文化が発達しても人の思いは同じという事です。
■黄凱を光源氏に起用なさった点について
日本には光源氏をやれる男性が踊り手に少ないと思います。
テクニックだけの問題ではないですから。
本当に光るような男性、すべてに光をもたらす存在感
何百人の女性が彼に恋して、たとえ振られても、
だれも彼を恨まない存在。
光は女性に対して最後まで相手を受け入れる事の出来る温かさ、
優しさを持った人
裏切る冷たさではなくて・・・。
正田先生の作品で黄凱を観た時に
舞台で光っていてオーラが出ていました。
その時に、光源氏にふさわしいと思いました。
あの人がやってくれるなら光源氏・・・今まで出来なかった事が出来るかもしれないと思いました。
又、今回黄凱のソロが加わった事でどの様に見えているのか・・・。
前とは違っているはずですが。
■上海公演について
今、上海は世界の市場です。西洋と東洋の文化がすざまじい勢いで入ってきています。
でも、上海は公演するのにはとても難しい所です。
中国側のスタッフと価値観が違いますし、日本人のペースとも違います。
時間的、経済的理由から普通の倍の濃さでリハーサルする事になります。
幸い、国の機関である文化交流中心と、市の文化交流の組織の協力を得て実現に至りました。
また、中国でトップの現代舞踊家、金星さんからの暖かいコメントもいただき途中の苦労が実りました。
日本の文化庁ならびに中国の関係の方々に感謝しています。